ケーススタディー 2023年5月10日

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この記事のチャート画像は、MetaTrader 4、RF1CR1の機能を利用して作成しています。

さて、今回もフィボトレーダーにぜひ勉強することをお勧めしたい相場を解説していきます。場面は2023年5月10日のポンド円の売りです。米国CPIの発表と重なったうえ、エントリーを決断するための最後の決め手が弱く、実際に売りを入れるのは難しかったかもしれません。それでも相場分析の練習にはもってこいの、学びがとても多い場面です。それではどうぞ。

前提

この記事は、フィボトレードの基礎知識が学習済みであることを前提に記述しています。まだ読まれていない方はフィボトレードの基礎知識の記事を先にお読みくださいませ。

今回のエントリー・ポイント

今回は下図の赤矢印の位置で売ることを考えます。

冒頭でもことわりましたが、5分後に米国CPIの発表が迫っている状況では、実際にはここで売りを決断するのは難しいです。しかし、売りで待ち構える思考の過程は、今後のトレードに非常に使えます。

トレードは環境認識から

前日2023年5月9日の朝、素数は「いいところで上昇が止まったな」「売れる値動きになったら売りたいな」と思っていました。

でもね、4時間足を広く見ればすぐに分かることですが、長期的には明らかな上昇トレンドです。上昇トレンドで売りを考えるのはクソだという話は何度もしています。しかも、直前は強めに上昇しています。ますます売りは不利に見えます。素数さんはバカになってしまったのでしょうか。

いいえ。

もちろんすぐに売ることはできません。しかし、今後の値動き次第では売りの大チャンスになります。伏線はさらにその1週間前、5月2日の相場までさかのぼります。

2023年5月2日の相場

5月2日の天井になったところは、2022年10月31日の日足高値、それも結構目立つ高値のゾーンでした。今回は特別に日足を見てみます。前回の目立つ高値、2022年10月31日の高値まで一気に上ってきているのが分かります。

前回これだけ明確に上昇が止まったところを簡単に突き抜けていくことは少ないです。その上昇がいったんは止まりそうなところで、実際、強く下がったという事実を見ます。

日足レベルで意味のある場所で上昇が止まってガッツリ下げたということは、今後上昇が継続するとしても、いったん日足レベルの押し目が発生する可能性が高い。あわよくば日足級の下降トレンドになるかもしれない。

だったら、短期的に上昇が苦しそうなら売ってみるのも面白い、という思考になります。

上位足の節目で反発したのを見たら戻しを待つ

日足節目で反発したのを見てすぐに手を出すのは素人。勝てるトレーダーは戻しを見てから売ります

上位足は上昇トレンドでした。これだけの上昇トレンドがいきなり下降トレンドに変わることはほとんどありません。

多くの場合、いったん下げるべきところから大きく下がった後、本当に下がるのかどうか確かめて、それで上昇トレンドが継続できないとなればようやく下げるのが相場というもの。よくあるのは、最高値からの下降FR61.8で上昇が止められて下がるパターンです。

以上を踏まえて2023年5月10日朝時点の1時間足を見てみます。

今回も、2023年5月8日に、下降のFR61.8でぴたっと上昇が止まりました。そこで冒頭の「いいところで上昇が止まったな」「売れる値動きになったら売りたいな」という発想になるわけです。

しかし、2023年5月5~8日にかけて発生したFR61.8までの戻しの上昇には勢いがあります。

よって、のあたりで売るのはあり得ません。そのまま上に飛んでいってしまうかもしれませんからね。

ではどうするか。売れそうな値動きになることを祈りながら待つしかないです。

5分足でエントリータイミングを待つ

では、CR1を使って2023年5月10日のエントリー・ポイントのあたりのチャートを出してみましょう。こんな感じですね。

やっぱり上昇が強いんですね。5月2日の高値からの下降FR61.8で抑えられずに上に飛んでいくところを狙って買うシナリオだった方は、上図の薄いピンク色の矢印で買うことはできたと思います。今回の本題と外れるので深入りはしませんが、こちらもフィボトレードののよい教材なので、ぜひ分析の練習に使ってみてください。

で、本題の売りです。前半の上昇でいったん「売りはやっぱりないかぁ」と思います。

しかし!上に行きかけたチャートはそれ以上に下降してきました。これはワクワクしてきます。

依然として上昇が強そうなので、本当に上に行かないか慎重に見極める必要があります。(上昇が)無理っぽい値動きの3回目で売りを入れると上図のように売りができます。売れたら1時間足でキレイなエリオット波動のような値動きになっていますから、0-1-2にFEを当てて、FE100やFE161.8、気の済むところまで取ればいいと思います。

素数はこの時間、ちょうどCR1対応版ZigZagの実装作業をやっていて売り逃したのですが、もし売れていたらFE100あたりの確実なところで利食いますね。それでも60pips弱取れます。十分です。FE161.8まで伸ばせれば100pips超えです。やったね。

最後に、今回の売りのポイントは難易度高めであることを繰り返しておきます。上位足の分析的には売りで間違いないのですが、5分足の形があまり売りやすくないのが難点。5分足の分析で悩んだ方、そんなもんです。リアルタイムで見ていてタイミングが取れなかったら諦めればいいだけです。何もしなければ損失にはなりませんからね。

この場面は4時間足(日足)から1時間足までの分析で、だいたい上図のポイントあたりで売りたい、というシナリオが立てられれば合格です。

まとめ

今回も、最近よく扱っている「上位足の節目」→「反発を確認」→「反発の戻しが弱いことを確認」→「エントリー」という流れのケーススタディーを取り上げました。

これがフィボトレードの王道パターンです。どの場面を練習したらいいか分からない方は、このパターンを探してこればっかり練習するといいです。マルチタイム・フレーム分析の勘所を学ぶにはもってこいですよ。

それでは、これからも勉強頑張っていきましょう。