逆行しても慌てないためのトレード戦略

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この記事のチャート画像は、MetaTrader 4、RF1CR1の機能を利用して作成しています。

FXはエントリー・ポイントがすべてです。トレーダーはよいエントリー・ポイントをつかむことを第一に考えるべきです。しかし、トレーダーも人間です。ミスをしたり、ハズレを引いたりして逆行してしまうことだってあります。この記事では、残念ながらエントリー後に逆行してしまった場合に爆損を避けるためのトレード戦略について、実際のトレードを元に解説します。

はじめに【重要、必読】

FXはエントリー・ポイントがすべてです。トレーダーは、勝ちやすく負けにくいエントリー・ポイントを選ぶことに全神経を集中すべきです。

正しいエントリー・ポイントが分からないのに、損切りのやり方や、含み損の扱い方を学ぼうとするのは間違っています。

まずは、フィボトレード学習帳の記事を読んで、正しいエントリー・ポイントが分かるようになってから(もしくは別の手法でも構わないのですが勝てる手法を習得してから)、それでも逆行してしまった場合にどうするかという姿勢でこの記事を読んでください。

この記事の内容は、トレーダーの性格やトレードスタイルによっては全く当てはまらない場合もあります

特に、今回の記事は280pipsもの逆行を耐えるという内容です。うまくいけば損失を回避できますが、シナリオが破綻した場合の損失は非常に大きくなります。今回の記事の内容を採用するかどうかは、結局のところ、ご自身のトレードスタイルやリスク許容度によって異なります。

また、ご自身のトレードに応用するためには、実際に逆行を体験して、自分にとって最適なやり方を体得する必要があります。

自分の手を動かして、自分で経験することが何よりも重要です。

逆行もリスクなしで体験できる、デモトレードや CR1Forex Tester をどんどん活用して、経験値を上げましょう。

トレードの概要

では、今回の題材となるトレードを紹介します。普段はポンド円のチャートで解説していますが、今回は私の実際のトレードを題材とする都合上、通貨ペアはポンドドルです。

2023年9月21日に買いでエントリー、逆行して最大280pipsまで含み損となり、3週間かかって建値で決済しました。

エントリーは●ソなので「マネしないでください」とだけ申し上げておきます。今回は、エントリーはさておき、この逆行とどうつきあうのかというお話です。

逆行した場合の最善の選択肢

さて、相場が想定と逆に動いた場合、トレーダーはどのような選択ができるでしょうか。

  1. 損切り
  2. ドテン(用語解説
  3. ナンピン(用語解説
  4. 計画的に耐える

いろいろありますね。

世間一般では、損切りしてしまうのがよいと言われることが多いです。実は、私もそう思っています。損切りして、有利なポイントを待ってエントリーし直すのが最善のはずです。

しかし、現実はなぜかそうではないようです。

私は過去に散々やらかしてきた経験から、(私にとっては)ジタバタせずに計画的に耐えるのが最善という結論に至りました。ただし、逆行した場合も想定したトレードシナリオが確立していることが条件です。ドテンやナンピンで短時間に大きな損失を出すぐらいなら、計画的に耐える方が、実際の損失も精神的なダメージもマシなんですよね。

損切りは、その場は楽になるのですが、いかんせん、マイナスで決済するので、繰り返しているとジワジワとお金が減ります。例えば-20pipsで損切りして大きな損失を回避できた…と思っても、それが50回繰り返されれば-1000pipsです。20pips程度の逆行なんてしょっちゅうですからね。あまり浅いところで損切りしていると、たまに勝ってもお金が増えません。いわゆる「損切り貧乏」というやつです。

ドテンは(これも私の経験上)最悪の選択です。

ドテンってたいてい1回じゃ済まないんですよ。今回も1回だけ売りにドテンしてそのまま保有すれば爆益なのですが、たいていは次の図のように損切りの嵐で爆損になります。(経験ありませんか?)

ナンピンも無計画にやると破産まっしぐらです。最初から直近上昇FR61.8、大きな上昇のFR38.2、水色ゾーンの3回に分けて少しずつ買う計画を立てていたのなら、それもよいでしょう。でもだいたいそうじゃないでしょ。テキトーにボタンを押しまくって、過大なポジションを抱えて破産するんです。

逆行した場合も想定したトレードシナリオ

では、じっと計画的に耐える、とはどういうことでしょうか。

私がエントリーしたとき何を考えていたのか、順番に説明していきましょう。

なぜ買いを考えるのか

まず、ここで買った理由を簡単に説明します。2023年9月21日の朝の時点の日足チャートを示します。

2023年9月21日の朝、相場は日足の最後の上昇のFR61.8まで落ちてきていました。FR61.8の価格帯には前回強く上昇した起点もあったので、なんらかの反応がありそうです。ずいぶん前からこの価格帯まで落ちてくるのを楽しみに待っていたんですよね。

仮にFR61.8で反応があったとして直前下降分のFR23.6まででも上昇してくれれば、195pipsほどの値幅があることになります。根こそぎ取れなくても、このうちの50pipsとか、100pipsとか取れれば十分です。

ということで、この日は買いを考えていて、実際に買いでエントリーしました。

逆行した場合にどうするのか

この記事で一番大事な節です。

儲かりそうなトレードシナリオは立てられたのですが、もちろんFR61.8で下げ止まるかなんて分かりません。

もし直近上昇のFR61.8を割り込んで下げてしまった場合のことも考えておく必要があります。

直近上昇のFR61.8を割り込んだら、次に下降の終点になりそうなところとしては、もう一つ大きな上昇のFR38.2や前回上昇起点(上図水色太線のゾーン)あたりが考えられます。

もし、大きな上昇のFR38.2まで下げて、そこから日足レベルの反発になったらどうでしょう。

仮に大きな上昇のFR38.2まで下げたと仮定して下降のFRを引くと、FR23.6まで戻してくれればエントリーした価格まで戻ることになります。23.6%ぐらいの戻しであれば、下降の勢いが強い場合であっても比較的よく見られます。

よって、もし下げてしまったとしても、大きな上昇のFR38.2を割って下げない限りはOK(おそらく助かるだろう)と考えます。

では、もしFR38.2でも止まらなくて水色のゾーンまで下げた場合はどうでしょう。

こちらの場合、FR23.6までの戻しでは足りませんが、FR38.2まで戻ればほぼ建値となります。FR38.2までの戻しも期待はできますが、FR38.2ともなると下降が強い場合は戻せない場合もよくあります。反発上昇が始まった後の値動きをよく観察して、戻りの勢いが弱い場合はFR23.6程度まで戻したところで損切りすることも考えておく必要があります。

水色よりもさらに下げたらさすがに損失はやむを得ないです。ただし、その場合でも下がった先で損切りするのではなく、戻しの上昇を待って損切りした方がよい結果となることが多いです。

なお、現在値から水色のゾーンまでは520pipsほどあります。当然、ロットはこの含み損に耐えられる大きさに抑えなければいけません。例えば10,000通貨でエントリーするなら、520pips下げた場合の含み損は、若干余裕をみて80,000円を考慮しておけばOKということになります(ポンドドルなので、10,000×0.0520×150=78,000円、当時のレート1ドル約150円で計算)。これで強制ロスカットにならないロットでエントリーします。

エントリー、そして逆行

そして、実際のエントリーがこちらです。

繰り返しますが、このエントリーはマネしないでください。こんな雑なエントリーをするから逆行するんです。

分かりやすいように、日足の直近上昇FR61.8の価格に赤い水平線を引いておきます。なお、RF1を使えば、FRのレベル線を[Shift]+クリックするだけで、一発でピッタリの価格に水平線を引くことができます。

たぶん反発があるだろうからなるべく下の方で買っておこう、という意図で、FR61.8到達後5分足の初陽線でエントリーしています。しかし、このように雑なトレードをしていると、相場様からお叱りを受けることになります

たしかに一時的に16pipsほどプラスになりましたが、反発はそこまで。ズルズルと下げてしまいました。

なお、このエントリーはフィボトレードを真面目に学んでいる方なら当然見送れます。安定的に勝ちたい方は、このようなエントリーはまねしないでくださいね。雑なエントリーをしなければ、含み損で無駄に精神をすり減らすことはありません。

反発を確認、そして建値撤退

結局その後、大きな上昇のFR38.2で反発してくれました(相場様、ありがとうございます)。ということは23.6%戻せばだいたい建値になるので、戻ってくるのをじっと待って決済します。

もう少しよい条件でも決済できたわけですが、下降FR23.6から下がらないようならワンチャン下降FR38.2まで持って利確しようと思った結果こうなりました。待っても上がらなさそうだったので建値付近で決済です。

耐える戦略に学ぶ「押し目買い」の重要性

フィボトレード学習帳ではFXで勝ちたいなら伸びた先でトレードするなと繰り返し言っています。それは、伸びた先でのトレードは単純に不利だからなのですが、この記事のような耐える戦略が採れなくなることも大きな理由です。

逆行しても戻ってくる見込みがあるからエントリーするのですが、もし上昇した先で買って(下降した先で売って)逆行してしまうと、100%戻さない限り負けになってしまいます

従って、次の図のようなトレードは絶対に避けるべきです。

23.6%戻しは十分期待できます。38.2%戻しもまずまず期待できます。50%や61.8%の戻しで助かるならまだわずかな希望があります。でも、100%戻しは下降トレンドを逆転できるほどの破壊力を持った上昇が必要です。これはかなり望み薄です。

もし、逆行しても助かる可能性がある、という意味でも、押し目で買うのが大切だと分かります。

スワップ・ポイントについて

普段デイトレードをしていると関係ないのですが、今回のように日をまたいでポジションを持っていると、通貨間の金利差分のお金がもらえたり、逆に取られたりします。スワップ・ポイントがもらえる側のポジションであれば長期保有も可能ですが、取られる側のトレードは、保有期間が長くなるほど著しく不利になります。

スワップ・ポイントが徴収される(マイナスとなる)トレードは短期決戦です。逆行する可能性が少しでもある場合はトレードを避けるべきです。

私の使っているブローカーですと、ポンドドルの買いポジションは、2023年9月21日~10月12日の場合で、1日平均0.06~0.07pips程度の徴収でした。徴収はされますが、微々たる額なのでさほど問題ではありませんでした。

これが、ドル円の売りポジションだと1日あたり2.5~3.0pipsもの徴収(ポンドドル買いの40倍!)です。1ヶ月も保有していると、値動きが全くなくても75~90pipsもの損失です。これでは長期保有はできません。

スワップ・ポイントはブローカーや日々の金利情勢により変動します。必ずお使いのブローカーが提供する情報を確認してください。

まとめ

ということで、今回は逆行してしまった場合でも慌てないための考え方を一つお伝えしました。

逆行した場合の値動きもあらかじめ想定しておくことで、大きめの含み損でも耐えられて、最終的にお金が残りやすいというお話でした。慌ててドテンしたり、ナンピンしたりすると爆損につながりやすいので、気をつけてくださいね。

そして、これもいつも言っていることですが、必ず自分で経験して確かめることが大切です。逆行した場合に自分はどうするのが損失を抑えられるのか、かならず、CR1Forex Tester で確認しましょう。大きめの含み損は精神的にこたえますが、順張りかつ押し目や戻り目でエントリーする限りだいたいの場合は戻ってくるということが分かれば、シナリオに組み込んで計画的に耐えるのも一手だと分かります。

最後に。今回は含み損の耐え方の記事ですが、そもそも含み損になるようなエントリーを避けるのが先です。私の今回のトレードのように、無駄な含み損を抱えることのないようにしましょう。

それでは勉強頑張っていきましょう!