[FX手法] 勝てるマルチタイムフレーム分析 (MTF分析)の準備 その2

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この記事のチャート画像は、MetaTrader 4、RF1CR1の機能を利用して作成しています。

前回に引き続き、「勝てる」マルチタイムフレーム分析の導入です。今回の記事では、「値動きのレベル感」についてお話しします。マルチタイムフレーム分析を効果的に使うためには是非とも理解しておきたい考え方です。

○○足レベル(○○足級)とは

当サイトの記事では、「日足レベルの壁」、「5分足レベルの波」、「1時間足級の反発」などのように「○○足レベル」や「○○足級」という表現をよく使います。なお、「○○足レベル」と「○○足」は同じ意味です。

これらが具体的に何を意味するのか、「日足レベル」を例に説明します。

日足レベルの壁

日足レベルの壁(日足級の壁)とは、「日足のチャートでハッキリと分かる壁」や「日足を分析した結果、将来的に壁になりそうな場所」のことを言います。例えば、次の図に緑色の太線で示したように、何度も止められた証拠のあるラインや、フィボトレードの7つ道具で壁になりそうと予想されるゾーンがそれです。

上昇FR38.2、FR50、FR61.8の3本のラインは、将来的に日足レベルの壁になるかもしれないところです。本当に壁になるかどうかはそのときになってみないと分かりませんが、レートがここまで落ちてきたら、反発に気をつけなければいけません。

その他の緑太線は既に壁として機能した証拠のあるところですね。

日足レベルの上昇、下降、反発

日足レベルの反発とは、日足でFRを当てるに値する一本の値動きに対して、FR23.6以上(理想的にはFR38.2以上)戻すような反発のことを言います。

このとき、FRを当てた値動きが上昇なら「日足レベルの上昇」、下降なら「日足レベルの下降」のように言います。

そして、日足レベルの壁で反発が起きたら、その反発も日足レベルになることが多いということに注意しましょう。

今サラッと非常に重要なことを言いましたが、これがマルチタイムフレーム分析のキモです。

上の例では、3年前の日足高値という日足レベル(週足レベル)の壁から、日足レベルの上昇に対する日足レベルの反発が発生して、FR23.6まで戻しています。

4時間足レベル、1時間足レベル、5分足レベル

さて、日足レベルの壁、上昇、下降、反発などは分かったとして、他の時間足はどうでしょう。

実は、他の時間足も日足と全く同じです。例えば、日足の説明に出てくる「日足」を「4時間足」に読み替えると、それがそのまま「4時間足レベルの上昇、下降、反発」の解説になります。

前回の記事で、時間足が変わってもチャートの形はだいたい同じという話をしました。この記事では日足を例に説明しましたが、チャートの「形」に関しては、同じことが4時間足にも1時間足にも5分足にも当てはまるのです。

日足レベルと5分足レベルのサイズ感の違い

時間足が変わってもチャートの「形」はだいたい同じです。しかし、「時間軸」と「価格軸」の大きさは全然違います

5分足では、チャートで見えているのは1日半ぶんの値動きです。価格軸は相場状況により異なりますが、このチャートの場合だと上から下まで185pipsです。

チャートの最後の方で、おそらく何か下がる理由があったのか、5分足レベル(あるいは1時間足レベル)程度の反発が発生していますが、これでだいたい80pipsです。

一方、日足では1.2年分ぐらいの範囲が見えています。そして、価格軸は相場状況により異なりますが、このチャートの場合だと実に2500pipsもの幅があります。

日足でもチャートの右寄りで日足レベルの反発が発生していますが、なんとこれが900pipsも下降しているんですよね。900pipsですよ!奥さん!

仮に、5分足の伸びた先で買ってしまったとしても、含み損は80pipsです(それでもデカいですが)。上位足が上昇トレンドなら、まだ戻ってくる望みもあります。

しかし、日足の伸びた先で買ってしまって下げ始めてしまったら、もはや絶望しかありません。日足級の壁で反発すると、反発も日足級であるのが普通です。当分戻ってくることはないですし、900pipsも下げたらほとんどのトレーダーは破産です。

つまり、日足とか4時間足といった、大きな時間足の壁の付近でのトレードには、非常に大きなリスクが伴うということです。

この後の私の説明では、「日足級の壁になるかもしれない価格帯なので、慎重にトレードする」のような表現がよく現れます。これは、日足レベルの壁でトレードして逆行すると破産しかねないからです。買うなら少なくとも短期的には下がらないという値動きになってから買わないと危ないよ、ということです。

時間軸の違いにも注意します。日足で壁になって下げ始めたところを拡大してみます。

ローソク3本分くらいを掛けて値動きが止まり、そして下降が始まっています。日足はローソク1本で1日ですので、値動きが止まって下げ始めるまでには実に3営業日かかったことになります。

3営業日という時間は、5分足では視界に入らないぐらいの長い時間です。よって、たかが5分足の値動き程度で日足レベルの壁を抜けたとか反発したとか判断するのはナンセンスです。5分足レベルで抜けたからといって上に行くのだと決めつけたり、あるいは5分足レベルで下げたからといって下降トレンドに転換すると決めつけてもいけません。

まとめ

この記事では、「○○足レベルの△△」という言い回しの意味を説明しました。さらに、5分足レベルと日足レベルでは、値動きの波の見方は同じですが価格軸や時間軸に大きな違いがあることを説明しました。

「説明は分かったけどピンとこない」という感想を持たれた方、心配いりません。そんなもんです。ご自身で繰り返し相場分析の練習をすることで、ご自身の実感として捉えられるようになります。(というか、自分で練習しないで理解できるわけがないです。説明を読んだだけで明日から勝てるわけではありません。努力しない者に成功は訪れない。当たり前です。)

次回はいよいよマルチタイムフレーム分析の具体例に入ります。「マルチタイムフレーム分析に失敗して大損失」というメシウマ事案を例に、楽しい説明を予定しています。お楽しみに。