[FX手法] フィボナッチ・リトレースメントを描いてみよう

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この記事のチャート画像は、MetaTrader 4、RF1CR1の機能を利用して作成しています。

この記事では、フィボナッチ・リトレースメント(FR)の超基本ということで、まずはどんどんFRを描いてみようという説明をします。

なお、記事中では、FRを描くことを「FRを引く」や「FRを(値動きに)当てる」と表現することの方が多いですが、すべて同じ意味です。

何はなくともFRを描いてみよう

いきなりですが、いくつか実例を見ながら、一緒にFRを描いてみましょう。

ポンド円、1時間足チャートを題材に説明します。

まず、ポンド円の1時間足チャートをMT4の画面いっぱいに最大化してください。そして、2022年7月27日~8月6日あたりが画面の真ん中に来るようにチャートをスクロールしてください。過去チャートをこの日付までさかのぼれない方は、この説明をひととおり読んだ後、ご自身のデータの範囲内で応用していただければ結構です。

さて、ちょうど真ん中に大きな下降がありますので、ここにFRを引いてみます。

RF1をお使いの方は [R] キーを押して、FRの始点の価格と終点の時刻の交わるあたり(下図の緑点線の枠内あたり)にマウスカーソルを持って行ってクリックすれば一発で描けます。RF1をお使いでない方は、メニューの「挿入」→「フィボナッチ」→「リトレースメント」とたどり、始点から終点までをドラッグすると作成できます。

こうですね。

勢いのよい下降に対して、FR61.8まで上昇してきて、下降に転じているのが分かります。他にも、FR38.2やFR50でもいったん上昇が停滞しているのが見て取れます。

今度はその次の上昇にFRを引いてみましょう。その前に今引いたFRは邪魔になるので消しておきます。

こうですね。

今度も上昇に対してFR61.8で値動きが止まって上昇に転じています。

面白くなってきましたか?では、他にもどんどん引いてみましょう。

今度は2022年6月9~16日です。下降に対してFR38.2でいったん上昇が停滞したり、FR61.8ではさらに大きな揉み合いになっていますね。

この下降の次の上昇にも引いてみると面白いですよ。今度はFR38.2で下降が止まっています。

このように、FRは「主になる値動き(動きが大きいとか、動きが速いとか)」に対して、その戻り具合を見たいときに使います。

4時間足や5分足でも同じようにFRを描くことができます。いろいろな時間足でいろいろな場面を表示してみて、どんどんFRを引いてみましょう。そして、FR38.2やFR61.8のラインで(余裕があればFR50やFR23.6でも)何が起きているか観察してみてください。

こういうFRは要注意

FRを初めて見ると「おお、すげぇ」となって至る所にFRを描きたくなるものです。気持ちはよく分かりますが、こういうFRを描いてしまうと、トレードが狂うので気をつけましょうねというお話をします。イケナイFRの例をいくつか挙げます。時々ここに戻ってきて、NGなFRを描いてしまっていないか振り返りましょう。

主要じゃない波に当てたFRはNG

この図のように、あまりにも小さな波にFRを当てても使い物になりません。FRは「主要な波」に当てて、その戻り方を見るために使います。これ、「主要な波」ですか?どう見ても違いますよね。

この画像は1時間足ですが、5分足で見るとここがズームインされるので「主要な波」に見える可能性はあります。5分足でならこの場所にFRを描いてチャート分析をするかもしれませんが、それは5分足でやればいい話。1時間足に米粒のようなFRを描く意味はありません。

波の途中に当てたFRはNG

これもよく見かけるNG例です。どう見ても高値から安値までが1本の波のところ、波の途中にFRを当てています。これはいけません。

フィボトレードでは、波の途中にFRを引くことはしません。FRの始点は必ず「誰が見てもここが値動きの始点でしょう」という点を取ります。平たく言えば、「最高値」や「最安値」です。

怪しいFX商材でたまに見かける宣伝文句に「上級トレーダーも知らない天井や底が分かる秘密の相場法則」みたいなのがありますが、嘘です。

たとえばの話ですが、相場が天井を形成するのは、そこで大挙して売りが入るからです。その価格で売った人が非常に大勢いたから、それまで上昇してきた勢いに打ち勝って価格が下がったわけです。「誰も知らない法則」でなぜか売りが入って相場が下げるなんてことは、通常あり得ません。

何が言いたいかというと、FRでもなんでも、「(ちゃんと勉強している人なら)普通はこうする」というやり方をしないと使えません。だから、FRを引くときは「誰でもそう引くだろう」というところに引かなきゃダメです。

終わった値動きを挟んでいるFRは(基本的には)NG

図の赤太線のようなFRはNGです。FRは「主要な値動き」に引いて、その戻り方を見るものです。赤太線のFRの起点からの下降は、オレンジ線の下げて上げた値動きで明らかに「終わって」います。このように、終わった値動きにFRを当てても意味がありません。

まとめ

この記事では、FRの引き方を実例を交えて説明しました。よくないFRの引き方もいくつか例を挙げて説明しました。まずはとにかくたくさんFRを引いてみて、「おお、FR38.2やFR61.8はやっぱり意識されるんだな」という感覚をつかみましょう。