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フィボトレードはテクニカル分析100%の手法です。FXで値動きを予測する方法は「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」に大別されますが、フィボトレードでは「テクニカル分析」だけを使います。この記事では、なぜ、フィボトレードがテクニカル分析だけで値動きを理解するのか、ということについて説明します。
値動きを予測する方法の分類
FXで値動きを予測する方法は「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」に大別されます。一部の方には釈迦に説法かもしれませんが、それぞれの言葉の意味を説明しておきます。
テクニカル分析とは
テクニカル分析とは、過去の値動きを示すチャートの情報を分析することです。過去の値動きを分析することで、将来の値動きを予測してトレードします。
ファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズ分析とは、国際情勢、各国の政策、経済情勢、その他諸々の相場環境を分析することです。ファンダメンタルズ分析の結果、現在の価格が安すぎると分かれば、将来の値上がりを期待して買うことができますし、現在の価格が高すぎると分かれば、将来の値下がりを期待して売ることで利益を狙おうということです。
なぜ、テクニカル分析100%なのか
フィボトレードはテクニカル分析100%の手法です。
別にテクニカル分析がファンダメンタルズ分析に対して絶対的に優位だと言うつもりはありません。私が知らないだけで、ファンダメンタルズ分析でも真面目に勉強すれば勝てるのかもしれません。
それでも、フィボトレードでは、ファンダメンタルズ分析は使わず、テクニカル分析だけを使います。
なぜでしょうか。
大きな理由は5つあります。
- ファンダメンタルズ分析は複雑すぎて手に負えないから
- そもそも「正しい」価格は分からないから
- 相場は(特に短期的には)理論通りに動くわけではないから
- チャートにはすべての情報が織り込まれているから
- テクニカル分析は過去チャートさえあれば練習できるから
それぞれ詳しく説明します。
ファンダメンタルズ分析は複雑すぎて手に負えない
この世の中はとても複雑です。
例えばですが、2022年10月現在、日本はマイナス金利、アメリカはインフレ抑制のために金利をどんどん上げていて、政策金利は3.25%です。金利の高い通貨が買われやすいので、ドル円は上昇する(円安方向に動く)と予測したとします。
でもね、外国為替市場は金利だけで動いているのではありません。
2022年10月といえば、ロシアのウクライナ侵攻と、欧米諸国のロシアに対する経済制裁、エネルギー資源を人質に取ったロシアの欧州諸国への圧力、米中貿易摩擦、などなど、他にも考慮すべきことが山ほどあります。
しかも、これで全部ではありません。
各国の選挙、要人発言、日々の株価の動き、大企業の業績や投資の動向…、果ては日本政府と日銀による為替介入などという荒技まで、それぞれの要素がFXに与える影響度を考慮して今後の値動きを予測する…考えただけで吐き気がします。無理。
世界中のあらゆる情報を瞬時に集めて解析し、相場の方向を見いだせるすばらしいシステムをお持ちの方なら、ファンダメンタルズ分析を完璧に実行して的確にトレードすることも可能かもしれません。
でも一般人には無理です。考慮すべきことが多すぎて手に負えません。
そもそも「正しい」価格は分からない
金利が高い国の通貨が買われやすいのは事実です。では、ドル円は円安方向だとして、いったい1ドル何円になるのが「正しい」のでしょうか?
1ドル145円ですか?150円でしょうか?あるいは、130円でしょうか?
そんなもの、誰にも分かりません。
本記事執筆時点のレートは1ドル145.38円です。仮に、現在のファンダメンタルズ分析の結果、1ドル130円が「正しい」価格だと計算されたなら、もはやドルを買っている場合ではありません。金利差があるからドル買いだと思っている人は、例えば1ドル150円とかが「正しい」価格だと思うからドルを買うわけですよね。
でも1ドル150円が「正しい」って根拠はどこにあるんですか?答えられますか?
相場は(特に短期的には)理論通りに動くわけではない
仮にあなたのファンダメンタルズ分析が完璧で、相場の方向性が分かったとしましょう。
でもね、じゃあ1時間後とか1日後とかに相場がその方向に動いているかというと、そんなことはないわけです。
普段はポンド円しか扱いませんが、今回は日米金利差の話をしたのでドル円のチャートを出します。
確かに、上昇トレンドにはなっていますが、日本時間の9月7日夜から9月9日にかけては一時的に下降トレンドになっています。いくら円安方向に動きやすいとはいっても、いつでも買っていいわけではないのです。
仮に完璧なファンダメンタルズ分析ができたとしても、それでトレードすることはできません。
さもなくば、図のように200pipsもの損失を出すことになります。(今回は戻ってきてくれてよかったですね。建値に戻るまでに丸一週間かかりましたけどね。)
チャートにはすべての情報が織り込まれている
世の中にはいろいろな理由や事情でトレードする人たちがいます。
ある人はファンダメンタルズ分析でトレードし、ある人は貿易で得たドルを日本円に換えるためにドルを売り、ある人はアメリカの資産を買うためにドルを買い、ヘッジファンドはただ自分の利益のために投機的に通貨を売買します。我々のように、テクニカル分析100%でトレードする人もいます。
チャートに記録された値動きは、これらの人々の実に多様な思惑がすべて反映されています。価格は買う人(額)の方が多ければ値上がりし、売る人(額)の方が多ければ値下がりします。金利差がどうの、経済政策がどうの、そんなことは知らんけど、過去に値上がりしてきていれば、買いたい人が多そう、値下がりしてきていれば売りたい人が多そう、ただそれだけのことです。
買いたい人が多そうか、売りたい人が多そうか、金利差を持ち出さなくても、チャートを見れば誰でも分かります。
チャートにはすべての情報が織り込まれています。だから、買いが有利か、売りが有利かを知りたければ、チャートだけ見ていればいいのです。
テクニカル分析は過去チャートさえあれば練習できる
テクニカル分析はチャートしか見ません。よって、チャートさえあれば、いくらでもテクニカル分析の練習ができます。やる気さえあれば、数千、数万回とチャート分析の練習を繰り返すことで技術をどんどん磨くことができるのです。これは大きなメリットです。
一方、ファンダメンタルズ分析ではこうはいきません。
過去の値動きに対して、そのときの世界情勢はどうだったか、各国の金利や経済政策はどうだったか、あのときトランプ大統領は何をツイートしたのか、雑多な情報を全部集めてきて、どの要素が相場にどれぐらい影響を及ぼしたのか分析して、だから今後こういう状況になったら値上がりするのか値下がりするのか考えて…。とてもじゃないですが、これでは数をこなせません。数をこなせないということは、経験値がたまるまでに非常に時間がかかるということです。
ファンダメンタルズ分析の神となって相場で思いのままに利益を抜けるようになるまで、1万年かかるようでは意味がありません。
まとめ
この記事では、フィボトレードがテクニカル分析だけでトレードする手法であることと、なぜ、テクニカル分析100%にこだわるのかという点をお話ししました。
過去にいろんな手法をかじった方は、ファンダメンタルズ分析の記憶が残っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、フィボトレードを学ぶと決めたのなら、ファンダメンタルズ分析のことは忘れましょう。
答えはすべてチャートに書かれています。